2024 『立秋』 恵那山麓で採れた藍で染める絹は地球の色だった

地産地染 二十四節氣

立秋 rishuu

暦の上では秋となりました。夏の暑さが最も厳しい時期を過ぎ、秋の気配も感じられるようになったのではないでしょうか。まだ暑さが残るものの、季節の変わり目として立秋を迎えると暑中見舞いの挨拶も残暑見舞いに変わります。これは、日本特有の文化的な表現で、季節の変化に対する敏感さを感じます。

着物の小物や帯には、地域によって8月1日から蜻蛉の柄が加わります。ファッションも少しずつ落ち着いた色へと変化していく様をサマーダークと呼びますが、着物においても同様です。田んぼの稲は穂を出し始め、その周りを蜻蛉が飛び交っています。これは、日本の自然が織りなす美しい風景の一部です。

藍の生葉染め

恵那市岩村町には藍染の歴史が息づいています。“工芸の館土佐屋”では、二百年前に使われていた道具や甕を見学することができます。城下町は天正疎水という用水路が城下の町を形成しており、その水を使った酒蔵や紺屋が栄えました。女性が城主だった歴史にちなんで「女城主」のまちとされ、軒下には女性の名前が記された暖簾がかかっています。

私自身も藍に魅了され畑で育てています。この時期は、育った藍の葉が一番刈りをむかえます。タンパク質である絹を藍の生葉で染めると、藍の葉に含まれるインディゴの成分がタンパク質に移り、空の色に染まります。私は、地産地染(ちさんちせん)と名付け毎年この季節の行事となりました。

染料が最初は緑色であるにも関わらず、突然空の色に変わる様子は、毎年不思議な感覚です。誰かが「これは地球の色、地球染め」と表現しました。この地で育った藍の葉から得られるインディゴで染められた絹は、地球の色をまとっています。

 かつての岩村でも栄えた藍染は、発酵の力を利用した技術であり、菌の働きによって藍色に染め上げられます。ジャパンブルーと称されましたが、それを「宇宙の色」と称える人もいます。人が集まるといろんな視点で物事をとらえることができます。この自然の彩りが地域の強みになったらいいなと思っています。

ゑなの結

私たちは恵那山のふもとでフリーペーパーを発行している任意団体です。本当の意味で“誰一人取り残されない”のは季節の移り変わりではないでしょうか。また美しい自然から、地域の強みや魅力を教えられているのは、私たちだとも感じています。 心を豊かにするこの地域のひとときを二十四節氣とともに発信。そしてこの地のスタートアップから、インタビューや寄稿を通したコンテンツは、恵那山の頂きより「ヤッホー!」と叫ぶように、多くの人々に届いたらいいなと思っています。

We are a voluntary organization that publishes free papers at the foot of Mt. Ena. Isn’t it the change of seasons that truly means that no one is left behind? I also feel that we are the ones who are taught the strengths and charms of the region by the beautiful nature. We will transmit a moment of this region that enriches the mind with 24 seasons. And I hope that the content through interviews and contributions from startups in this area will reach as many people as possible like shouting “Yo-ho!” from the top of Mt. Ena.

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