啓蟄 keitithu
啓蟄は、冬ごもりしていた虫たちが地上に姿を現し、春の訪れを告げる時期です。遠山の雪解けも進み、恵那峡さざなみ公園にも息吹を感じられます。日差しや風向きを五感で感じることができることも、日本の強みでしょう。
昆虫は百万種を超えるほどの多様性を誇り、最も繁栄している生物ともいわれています。着物の柄も古来より美しい文様が多く見られました。農業暦と親和性の高い二十四節気には、なくてはならない節気であると考えています。
小いた園のしいたけ
恵那山麓では、クヌギやコナラなどの原木にしいたけの菌を打って育てる家庭もあります。これからの時期は「春子」と言って収穫が盛んな時期です。
そこでしいたけを栽培されている小いた園を訪ねました。小いた園では国産菌床を使用し、ハウス栽培で育て、年間を通して収穫します。「とくに春と秋は菌が活発になり、七割が水分といわれるしいたけが育つには適している気候なんです。」と農園主の小板美和さん。



農業では目に見える種を蒔きますが、しいたけの栽培は見えない菌から育てます。目に見えない菌との対話は、温度や湿度管理が重要な手間のかかる作業です。しいたけは酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すので、この日も朝の二時間は扉を開けて空気を入れ替えていました。
そしてしいたけは菌の種類で苦味や旨味、そして大きさなどが違うそうです。小いた園が使う菌は、肉厚で大きいのが特徴です。そして旨味が強く、コクと余韻の強さもあり、それでいてクセがなく食べやすい種類です。さらに栄養価は書ききれないほど多くあります。
農業では二十四節気や、月の満ち欠けも大切にしています。小いた園でも菌との対話に月の満ち欠けが欠かせないとのことでした。菌も生きており、神秘な世界があるようです。
しいたけの栽培に関しては専門家の研究が続いていると聞きます。しかし、見えない菌のしいたけ栽培には先人たちの英知が詰まっており、自然の摂理の中にあるということも知りました。
ゑなの結とは
私たちは恵那山のふもとでフリーペーパーを発行している任意団体です。本当の意味で“誰一人取り残されない”のは季節の移り変わりではないでしょうか。また美しい自然から、地域の強みや魅力を教えられているのは、私たちだとも感じています。 心を豊かにするこの地域のひとときを二十四節氣とともに発信。そしてこの地のスタートアップから、インタビューや寄稿を通したコンテンツは、恵那山の頂きより「ヤッホー!」と叫ぶように、多くの人々に届いたらいいなと思っています。
We are a voluntary organization that publishes free papers at the foot of Mt. Ena. Isn't it the change of seasons that truly means that no one is left behind? I also feel that we are the ones who are taught the strengths and charms of the region by the beautiful nature. We will transmit a moment of this region that enriches the mind with 24 seasons. And I hope that the content through interviews and contributions from startups in this area will reach as many people as possible like shouting "Yo-ho!" from the top of Mt. Ena.
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